生ハムの王様ークラテッロ
イタリア北部を流れるポー川沿いの8つの村でのみ生産されている「クラテッロ・ディ・ジベッロ Culatello di Zibello」は、イタリアで最も名高い生ハムの一つで「生ハムの王様」とも呼ばれています。豚肉の最も高価な部位であるモモ肉の中心部のみを使い、職人が一つ一つ完全手作業で成形、網がけをして熟成させます。その製法に大変な手間と時間がかかることから絶滅の危機に瀕し、現在はスローフード運動や原産地呼称制度DOPによって守られている大変に貴重な生ハムです。
クラテッロは、ポー川から上がってくる湿度と穏やかな風の吹く地域で2~3年ほど熟成されます。熟成とともにアミノ酸のうま味が増しナッツのような風味が口の中に広がります。その風味は日本で知られている生ハムとは全く別ものです。
これをぜひ日本で作りたい!という思いから、クラテッロ職人の元で修行してその伝統の製法を教わり、イタリアと日本の気候との違いを研究し、試行錯誤を重ねてできたのが当店の自家製生ハムです。
クラテッロ・ディ・ジベッロ協会(イタリア語/英語)
クラテッロ生産者Podere Cadassa(修行先)(イタリア語/英語)
生ハムの種類
当店では、新鮮な国産豚を使い、イタリアで習得した伝統技法を使って生ハムを作っています。使う部位や作業行程によって色んな種類の生ハムができますが、現在作っているのは下記の図の色つきの部位を使った生ハムです。
○クラテッロ(モモ肉の臀部の生ハム)
○フィオッケット/スペック(クラテッロと対になるモモ肉の生ハム)
○パンチェッタ(バラ肉の生ハム)
○コッパ(頸肩肉の生ハム)
○ストロルギーノ(生サラミ)
○ブレザオラ(牛肉の生ハム)
一部の生ハムは、熟成状態によってご提供していない時期もあります。アラカルトメニューへ
自家製「クラテッロ」ができるまで
現地では、ポー川に霧がかかり気温が0度前後になる頃(11月~2月)にクラテッロ作りが行われます。滋賀でも、温度や湿度をイタリアに近い状態にし、主に冬期に生ハム作りをしています。
成形 Tagli
新鮮な豚モモ肉から骨を外し、余分な脂を除いて成形します塩漬 Salatura
塩と胡椒をまぶしてマッサージ 4~5日間塩漬けします腸詰め Insaccatura&紐掛け Legatura
豚の天然膀胱に詰めて紐を網目状に編み込み、洋梨形に整える脱水 Asciugatura
湿度と温度を管理しながら肉の熟成を促す(約3か月)熟成 Stagionatura
天然の環境(長野にある熟成室)の中で生ハムの旨みをさらに生み出す(10か月以上)
こうして、仕込みから約14か月以上~約2年を経た生ハムが店のメニューに登場します。原材料は国産豚肉と塩・胡椒のみ。自然が生み出す熟成の味わいをお楽しみください。
注)ここに書いた製法は、みなさんに楽しんで食べていただくためにごく簡単に説明したもので、生ハム製造には専門の知識と設備(と日本で作るための秘策!)が不可欠です。生ハム(非加熱ハム)の知識がない方は真似しないでください。
注2)「クラテッロ Culatello」の名称はDOP(原産地名称保護制度)であるため、日本で作ったものはクラテッロとは呼べないのですが、日本には生ハムを製法などによって細かく区別する名称がないので、説明のために現地の名前を使っています。